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2013年 08月 24日

2013.8.14-16 南ア南部を南下する旅(鳥倉-畑薙ダム)day2

2日目は、荒川小屋から聖平小屋への道程。
赤石岳、聖岳を越えていく。結構登ったり降ったりするらしい。
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写真は、小赤石岳-赤石岳間のフラットな朝の3,000mの稜線を行く。



朝3:30起床。静かな夜でぐっすり眠れた。風が無かったのと、早寝早起きが多いエリアで、団体もいないせいだろう。但し、風が無かった分、結露はヒドい。

昨日小屋で買ったクリームパンを水で流し込みながら撤収。湯すら沸かさない。仮にゆとりがあったとしても、僕には山の朝ごはんを調理とかできないだろう。

4:50出発。森林限界まで登り返す。今日も長丁場なので飛ばさないように歩く。森林限界に出るなりの朝日。肉眼では富士も見えている。
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大聖寺平まではフラットな極上トラバース路。こういうのが夏山の朝。
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大聖寺平は平というわけではないが魅惑のフラットが点在。だけど風が抜ける場所だな。
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小赤石岳までは急登続きだが以外と登りやすい道。朝の気持ちいい時間帯だからかも。
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振り返ると荒川岳がデカい。岩々した山だな。
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小赤石岳-赤石岳間は比較的フラットな3,000m超の稜線歩き。朝の時間帯は特に清々しい。
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赤石岳避難小屋。稜線剥き出しの場所にある。穏やかな天気の今日は平和に見える。
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ソロのトレランの人とすれ違う。どこから来たのだろうか。ストイックだなぁ。
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聖岳が見えるトレイルを逸れた場所で朝食。といっても無印バウムを水で流し込むだけ。今回もガスストーブを持ってきたが、この調子だと最後まで使わず終いになりそうだ。

赤石岳の下りも意外なくらいサクサクこなし、顔を上げると下り基調のフラットの先には山らしい山がいくつも並んでいた。
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見たことも聞いたこともない綺麗な山を臨みながら進む。まさかあの辺のデコボコを超えて行くなんて全くの他人事と思いながら。
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百間平へ続くフラット。
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百間平から下りに入る。先に見えている3つの山は右から、中盛丸山、兎岳、聖岳だ。うーん、確実にあのアップダウンを超えるんだな。。。ここから百間洞山の家に向けて大きく降る。もったいないなぁ…。
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南アの営業小屋は森林限界ちょい下にあることが殆ど。つまりトレイル上の小屋を通過することは、大下りと登り返しを指す。ざっと3000m超と2600m弱を行き来する。

百間洞山の家。9:00前だけど聞いてみる。何か食べられますかって。何と麺もの全てとカレー1食分ならイケるとの嬉しい回答。すかさず2人で3品注文した。ラーメンとうどんとカレーを。
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もちろん待つ間に清流でガシガシ顔を洗ったりカラダを思いっきり拭いたりね。
たらふく腹に仕込んだあとにこの日最後の小屋水場で満タンにして、再びの森林限界越えまでの登り返し。

百間洞下降点からの中盛丸山。これを次に待ち受ける兎岳だと思っていたから、萎える。
この山行の前に今まで使っていたカーボンポールが壊れたため、FIZANのFREELIGHT別注モデルを投入した。この登りからはストックの力を借りることにしよう。
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中盛丸山下りからの小兎岳-兎岳。これは兎(ウサギ)って雰囲気じゃないね。ずっと兜(カブト)岳だと思っていた。こんな繰り返し。僕らもヘトヘトならすれ違う人達もヘトヘトだ。
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兎岳避難小屋。休憩後14時前に通過。このアップダウンではコースタイムは全く稼げない。この日赤石岳避難小屋を出発したという男性ソロハイカーはこれまでのアップダウンの疲労から、聖岳への大下りと急登を控え、兎岳避難小屋に泊まることを決めたという。確かに小屋前にはテント適地のフラットもある。
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兎岳からの聖岳。壁みたいに見える。その前には2,600mアンダーの聖兎のコルまで下る。またもや後半においての急登。岩の下り&急登は嫌だな。しかも天気も怪しくなってる。
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特筆すべきことのない嫌な下りと登りを黙々と進んだ。この辺に好印象は無い。雨がポツポツ降ってきた。この小康状態が続いてくれることを祈りながら、一瞬あらわれたフラットで行動食とハニースティンガーのグミを補給。雨脚が強まりそうなので雨具上下を着込み、カメラ・iphoneをLOKSAKにしまった。結果として好判断となった。時刻は14:20だった。
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ここからがエライこっちゃだった。

突然雷雨になる。よりによって森林限界越えの急坂での雷雨。なんて場所だ。。。行こか戻ろか留まろか。。。
聖平小屋まではCT2時間程度。気持ち的には突っ切ってしまいたい。しかし現在2,850m地点。剥き出しの岩場の稜線の急坂をさらに剥き出し度の高まる3,000m超まで高度を上げるのも危険なのは明白。
かといって兎岳避難小屋まで戻るにも、急下りと急登りの痩せた岩場を小1時間。この雷雨の中では到底無理だ。

雨は良いとして、怖いのは雷だ。感覚的には1分に1回は近くに落ちて地鳴りがしている。さすがにビビった。
とりあえずは超短期の通り雨であることを期待しながら、岩陰に入る。でもそこは岩のそばというだけで、雨はガンガン当たるし、急斜面で足元が濁流になり足首まで浸かってくる。こりゃダメだ。却下。その間にも雷はガンガン落ちているし。

次にハイマツの中に潜り込むことを目論む。バックパックをハイマツに突っ込み、頭を潜り込ませる。ちょっとだけ守られている感ある。その状態で20分、雨は強くなる一方で雷も相変わらず怖い。カラダに軽い震えが来ている。バックパックからのグラウンドシート用の100*200㎝タイベックを取り出し2人で被る。これだけで十分暖かくなる。壁って大事だ。

しかしながら10分もすると顔・首部分や袖口から雨が侵入し、全身ずぶ濡れで再び寒さと震えが来る。最初は雷の恐怖だったが、目下の敵は低体温症。以前にトムラウシ遭難の本を読んだ際に書いてあったことを思い出した。対策として「雨風を避ける」「濡れたものを全部脱ぎ着替える」「食べる」「ゆっくりあったかいものを飲む」ことで回避できると書いてあったと記憶していた。但しこの状況ではどれもできない。

周りの空を見渡しても当分止みそうもない雷雨の中で40分が経過した15:00、状況打破のためには5分程度下った先程のフラットに戻り、ルナソロを設営することにした。ポールを立てることを躊躇したが所詮1m程度で人が座った背の高さと変わらないことから、多少のリスクを持っても低体温症を回避する壁を作ることを優先した。

設営しずぶ濡れのまま2人でルナソロ避難し、全部脱いで着替え、湯を沸かしコーヒーを飲んだ。雨降る直前に行動食を補給していたので食べはしなかった。雨風が強くなり、ヒョウらしきものが幕を叩く。依然として雷は近い。但し、しばらくすると体の震えは止まった。低体温症は回避できた。正直、一歩間違えれば大きなリスク寸前だったため、生き伸びた感があった。これぞテント(シェルター)泊装備のメリットであり、「ルナソロ強し!」を実感した瞬間でもあった。壁と空間を作ることでの安心感は格別。きっと「ただ被っているだけ」ではこの心理的な安心感は創出できなかっただろう。不思議と冷静さを保てていたが、雷がくるとパニック的な気分になるのでこれ大事。この時ウールのアンダーだけは濡れても暖かさを保っていたことを記憶している。

16:00頃、やや小降りになり、雷鳴が遠のいたので外へ出ると向こうの山には晴れ間が見えた。ゲリラ状態はおさまったようだ。ここで思案する。ここにビバークするか、聖平小屋まで行くか。恐怖体験の興奮状態だったのか、「小屋の安心感」が欲しかった。そして明日下山し、明後日土曜日の「あまちゃん」の再放送を見たくなった。第一、ここに居ても安全性が確保できたわけではない。濡れ装備を絞り、一部を再び着込み、冷えるので風は無いが防風/防寒対策として雨具上下を着込んだ。上はORのPartex Shieldのジャケットに下はモンベルのバーサライトパンツ。この雨ではきっとどんな雨具でも一緒だったはず。夏山にプロシェルとかは持って行かないだろうし。

16:20再出発。不意の休憩をとったおかげで体力は回復していた。飛ばせる自信があった。万一の再びの雷雨を避けるべく、CTの半分ペースで飛ばす。急登が終わったところでハニースティンガーのジェル補給。聖岳山頂スルーしここからはトレラン(ジョグ)。iphoneで撮影する余裕もあった。
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山頂直下の下りから、小屋が見えた希望。行動時間にして10時間を超えて走れるのは「火事場のくそ力」ってやつに加え、日々のランやトレランが効いていることを実感。山のリスク対策の一番は装備よりも「体力づくり」だと思う。どんな頑強な装備を十二分に持っても重くて行動に制限がかかることで逆にリスクとなりうる。U.L.×体力で山のリスクヘッジという考え方だ。
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小聖岳を通過する頃には、遠くで再び雷鳴が。でも来る気配はなさそうだ。でもとりあえず樹林帯に急げとジョグる。
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聖平の木道。安堵でどっと疲れが出た。
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17:30、CT2時間強を1時間で聖平小屋に到着。ホッとした。ハニースティンガー1本で1時間の下りジョグは効率的だった。小屋では稜線に他に登山者が残っていなかったかを尋ねられた。兎岳から先は誰も抜いていないことを告げ共有した。優しく温かい雰囲気を感じる小屋の対応だった。テント場は比較的空いていた。公称50張に20張程度。こんな一番端っこのひっそりとした一角に張る。ルナソロはさっきの避難でドロドロだけど。
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軽食は終わっていたので、カップラーメンの可否を尋ねたところ小屋内で食べてOKとのこと。あったかい食事にホッとする。カップラーメン3個。

この夜も静かな夜だったのだが、興奮状態であまり寝付けなかった。

by takemicchy | 2013-08-24 23:07 |  南ア | Comments(2)
Commented by 110 at 2013-08-25 10:03 x
おもいっきりくらってたんですね...僕はこの日のうちに塩見を越えようと思って歩いてたんだけど、だんだん三伏でのんびりビールが飲みたくなり予定を変更してました。先に進んでたらと思うとゾッとします...お二人の事はだいぶ心配しましたよ。予想では兎岳付近。兎岳避難小屋でやり過ごしてくれていればと思ってたんだけど健脚なお二人は通過してましたね...でも、低体温症と雷対策がすばらしいです!もの凄く大変だったと思うけどほんとうに無事で良かったです!雷のときはハイマツに飛び込んで絶対に頭を上げるな!ですね。
Commented by takemicchy at 2013-08-27 00:11
110さん

順調に進んでいれば塩見付近の剥き出しのトコじゃないかって、僕らも心配してました。ビールの誘惑に救われましたね!良かった!
ハイマツは殆ど隙間ないので、頭をねじ込む感じで(笑。良いにおいしますよ。バスクリンにハイマツの香りってあったら買うかもです。雷を思い出しますけど(笑。
でも、お互いこうして無事に戻って来られて良かったですね。


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